トマト栽培とわさび栽培の両立
 西村さんは夏秋トマトをハウスで栽培するのが主体で農業を営んでいる。
 冬の日照時間が短く気温の低い時期(12月〜3月)に、ハウスを利用して何か作れないかと以前から思案していた。「いちご、しいたけ、レタス、色々試したけどねぇ、阿東町は中山間地域の中でも日本海側に向いちょるからね、日照時間も短いし、どれもうまくいかんかったんよ。」そんな中、普及員さんにわさびのハウス栽培をすすめられた西村さん。「当時、わさびのイメージといえば沢わさび。自然条件がよっぽどいいか、上手に育てなければ作れないんじゃないかと思って悩んだねぇ。」と言う。


西村 齋司(ひとし)さん


わさび畑


自家採取の種で育苗

 ところが、やり始めるとけっこう面白い。「沢と違って水がなくてもできるし、やわらかくて見た目もきれい。ハウスわさびも沢とそんなに変わらないことがわかったし。」…厳しい環境条件でも、わさびはたくましく育つのだ。
 また、夏場に作業が少なく、競合しないのでトマトに労力をつぎ込めるということもよかったのだと言う。「あまり儲からんけど、家族労働でやれる程度で頑張ってますよ」ただ、この「わさび」というものは、沢で作っていたなごりで、種の流通がない。わさび栽培を続けていくには、自分で確実に種を確保=自家採取したものを育苗するしかない。今現在ハウス3棟で栽培して、1棟では育苗している。

 「わさびは葉も茎も花も取れるんだけど、栽培するモノによって育成期間が全然違うんよ。どこに重きを置くかは作る人によると思うけど、あくまでもウチの主体はトマト。自分はトマトを作らない冬の時期だけわさびを作ろうと決めたから、葉を中心にやってます。」
 根茎だと3年〜5年かかる。花だとトマトの準備に間に合わない。だから葉を選んだ。しかも、花は年によって咲いたり咲かなかったりするが、葉は確実にでるからだ、とも言われた。「山口県でも葉わさびを主体としているのは阿東ぐらいじゃないかねぇ。でも、花がところどころつくんで、ある程度まとまったら花も出荷してるんですよ。」


収穫作業


小さくてかわいいわさびの花


虫よけのハーブ


水につけて鮮度を長持ちさせる

●きれいな葉を守る防虫対策
 とにかく、葉をそのまま食べるので、収穫前に防虫ネットを張ったり、虫の嫌いなニオイがするハーブをぶら下げたりして極力虫が入らないようにしている。
 「冬だから病気はないけど、虫はどうしても入るね。(ハウスで越冬する虫もいるそうだ!)収穫が始まると防除ができないので、虫が入らないような対策を考えています。とにかく冬のこの時期にいかに労力をつぎこめるか、が勝負ですよ!」と言われた。今は「地産地消」運動のおかげで多少の虫食いは消費者からも認められているようだが、プロとして、いかにキレイな状態で出荷できるかに気をつけている。
 また、出荷するときには、出来るだけ鮮度を保つため、水につけてから調整作業を行う。「瞬間でもいいから水につけると違うんですよ」買ってからでも、乾かないように気をつければ1週間ぐらいはもてるそうだ。
 わさびは春を告げるものとしてこれから旬を迎える。


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