●温暖な気候でのはなっこりー栽培
 周防大島町のはなっこりー栽培歴はまだ浅く今年で2年目。しかし、生産者の関心は高く、初年度7人で7.5アールからのスタートだったのが一気に今年は25人で34.5アールに増えたという。今回取材した木村さんは、初年度から始めた中の一人。だが、昨年は植えたと同時に台風で苗が飛ばされてほとんど収穫できなかった。
 周防大島町のいいところは、暖かいこと。特に木村さんの畑のある沖浦地区は島の南側なので、平均温度が2〜3度は上だと言う。だから、まず霜の心配がないし、雪も年に1〜2度降るか降らないか…といったところだそうだ。はなっこりーは露地栽培なので、寒さが直に野菜の生育に影響する。「だから、他が寒くて野菜が出荷できないときも、ウチは出せるんよね!」と木村さんは言う。


木村成夫(きむらしげお)さん


山口県オリジナル品種「はなっこりー」


はなっこりーの収穫が終わると田植えの準備へ

 10月に定植し、12月頃から出荷が始まるというから、他の地域よりはずいぶん遅い。それも温暖な気候だからできるのであるし、水稲をやっている木村さんには好都合。3月にはなっこりーの出荷が終わったら、田んぼの準備をして4月に田植え。稲刈りが9月に終わり、水田から畑への作業をしてまた次の定植をする。このサイクルがぴったりなのだ。「たまねぎなどに比べ軽いし、年寄り向き。はなっこりーほど丁度いいものはないね。」と言う。

 しかし、管理は大変なようである。定植直後は土の中を這う虫に根を切られ苗が倒れてしまうことがあるし、モンシロチョウが卵を産み付けたりすることもある。なにかと虫に襲われやすいはなっこりーだが、農薬は極力控えているので、虫たちと闘う以外対策はない。一定期間頑張り乗り切れば、収穫期は寒いので、虫の被害はまったくと言っていいほどないし、病気にも強いので薬はいらないそうだ。

●作る喜びを明日の力に
 24歳まで漁師だった木村さんだが、お父さんの手伝いをすると決めて農業を始めた。その後奥さんの栄子さんと二人三脚で色んなことに取り組んできた。促成栽培から始まり、養鶏、製材業などを経て、米、たまねぎ、はなっこりーまで、実にユニークな経歴(?)の持ち主。「うちの人は百姓しかやろうって気がなかったからね。」と栄子さんも言うとおり、農業だけに力を注いできた。「農業は楽しい。太陽の下で元気に仕事をすると頑張れる気がします」そんな農業から作る喜び、収穫の喜びを味わい、それを希望に変えてここまできた。

 以前から有機栽培をしたいと強く思っていた木村さんの畑は90%有機栽培。堆肥、鶏糞、油粕、ヌカがたっぷり入っている。マルチを敷くため、どうしても追肥は化学肥料になってしまうが「自信を持っておいしいのができると言えます」と言う。
 その自信作を出荷するのは週3回。(月・水・金に収穫し、火・木・土に出荷)こちらの規定は厳しく、つぼみが少しでも黄色くなっていると出荷してはいけないのだとか。消費者の意見で花は苦いと指摘があったということで、自主的に厳しくしたそうだ。その効果は高く、クレームはまったくないとのこと。だが、そうなると、収穫のタイミングはかなり微妙となる。「つきっきりで見てないといけんのですよ。」と木村さん。


奥さまの栄子さん


収穫のタイミングが大切


調整作業

 しかし、「元気の秘訣は『忙しいこと』」という木村さんだけあって、毎日水遣りをしながら畑を見守っている。どうやら、はなっこりーにとって水はとても大事なものだということが2年目にしてわかったという。そうやって少しずつはなっこりーの事を知っていき、もっと消費者に喜ばれるものを作りたいという木村さん。「山口のオリジナル野菜だからね、これからもう少し伸ばしてみたい。」と意欲的。これからがとても楽しみだ。


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