山口県オリジナル品種
  小さな太陽「プチソレイユ」

 「プチソレイユ」は、スカシユリとヒメユリを掛け合わせた『ちいさな太陽』という意味をもつ山口県のオリジナルユリ。「フラワーアレンジメントでも利用しやすい花の小さい品種を作れないか」と、用途の幅を広げる目的で農業試験場が開発し、2002年8月に誕生した。
 その名のとおり、明るいオレンジ色で、10cm程度というユリにしては小さな花をつける。見た感じがとってもかわいらしい。2003年に試験的に栽培し2004年度から本格的に出荷が始まった本当に新しい品種である。


大川郁夫さんと奥さんの靖子さん


オレンジ色の小さめの花が「プチソレイユ」いいアクセントになってアレンジを引き締めている


つぼみのうちに収穫します

●野菜から花へ
 大川さんは下関市垢田でこのプチソレイユを栽培している。垢田といえばトマトなど野菜づくりで有名な肥沃な土地。実は大川さんも昔はトマトやきゅうりをメインに栽培する農家であった。ケガで入院をしたときに「これまでのように重たい野菜は運んだりできないかもしれないが花なら続けていけるのではないか・・・」と考え、奥さんや両親の反対を押し切って花栽培に転向した。
 これまでトルコ桔梗やフリージア、カーネーションなどさまざまなものを手がけてきた。すでに知られているオリジナルユリ「マリッジ」シリーズのユリも作っており、今回その仲間にプチソレイユの栽培の試作の声がかかった。
 「試作してみて、花がキレイだし、球根が何回でも使えるって聞いてすぐ申し込みしたんよ。」と大川さん。ところが、今回は球根をいのししが食べてしまって生産者が欲しい数を配ることができなかったそうだ。「いのししは、他の球根に見向きもせずにプチ(=プチソレイユ)ばっかり食べるんてぇね。」

●疲れも癒される花栽培
 プチソレイユの収穫は2人がペアでおこなう。片方が高枝バサミのようなハサミで切ったものをもう一人がとっていく。「球根を大きくするために、下2段は残してるんですよ。」と教えてもらった。普通のユリは1コの球根で1回しか収穫できないのだが、プチソレイユは同じ球根で2〜3回収穫できる。無造作に切っているように見えるが、ちゃんと球根が肥大するように考えているのだ。

 ある程度収穫し奥さんの腕にはちょっとした花束のように抱えられている。「プチは、これだけの束で100あるんですよ。でも小さいし軽いから抱えられるの。スカシは100なんてとても持てないのよ。」と奥さんの靖子さん。スカシユリなどは、鎌で切るうえ花が重たいので、大川さん曰く「肩やら腕やらがぶち痛くなる」のだそうだ。
 「でもね、仕事で疲れても花で癒すことができるから、いい職業ですよ。」抱きかかえた花を見つめる目から「本当に花が好きなんだ」というのがうかがえた。「大川さんのところのはツヤがいい」と評判も高い。花だけでなく、葉も濡れたようにつややかだ。それもこれも、大川さんが注ぐ愛情のたまものなのだろう。


2人で行う収穫作業


これで100本あります


左スカシユリ、右プチソレイユ、同じ5本でこんなに差があります


きれいに花咲く「プチソレイユ」はご夫婦が注ぐ愛情のたまものだ

 今まではユリは香りがきついことと、大きいことであまりアレンジで使われることがなかった。家庭の食卓の上などにちょっと飾ったり、お見舞いなどのアレンジにも使える新生「プチソレイユ」に期待をしている。「大阪にも出荷してるんですが、もう少し量が欲しいと言われてるんですよ」と大川さん。
 今後もっと面積を増やしていきたいと意欲的だ。


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