垢田の金時人参
 垢田地区の土は赤土。根のものは甘くておいしいものができると定評で昔から人参作りは盛んであった。しかし、個人出荷していたため、まとまった量がなく、市場からも共販を強く要望されていた。共同出荷が始まったのは平成2年。垢田人参部会の誕生だった。


松崎 文好さん(夫婦で収穫作業)


これが人気の垢田の人参


トラックに山盛り!

 山口県では人参の産地というのはめずらしい。さらに金時人参を共販で出荷しているところは垢田地区だけ。下関の市場へ全量出荷しており、主に市内に出回るが、九州方面にも出荷されているらしい。「垢田の金時人参」は市場でも有名で、一種のブランドとなっているとのこと。松崎さん他、部会のみなさんもそのことがとても励みになっている。「金時の時期じゃねー。」「今年もまっちょったよ。」と言われたら来年もまた植えようかって気になるんじゃねぇ、と松崎さん。
 ・・・だが、西洋人参におされ気味で、価格も低迷。当時は22〜3人いた部会のメンバーも今では8名になってしまった。松崎さんは言う。「売り上げからいけば儲けはないけどねぇ、垢田の特産品を絶やしちゃーいけん。守っていかんといけんとワシは思うよ。」同じ思いをもつ人たちが金時人参づくりを続けている。そしてブランド化されていることに誇りと責任を持っている。


水が人参の生死を左右する
 金時人参というのは、とても手間のかかる野菜らしい。「西洋人参より栽培期間も長いんよ」と松崎さん。昔は先帝祭などでも重宝されたが、今では正月のおせち料理以外ではあまり使われなくなったということで、12月に収穫できるように種まきをするわけだが、西洋人参なら9月にまけば充分間に合うものが、金時人参は盆前でなければ間に合わない。種を撒いた後に発芽させるのも大変。「暑い時期だから芽が出にくいんよ。一番いいのは夕立にあわせて植えるのがええんじゃ。予測をはずしてしもうて、手で水をやったんじゃー芽がでんのんよ。」同じ根菜類の大根と比べても2.5倍は種を撒くと言われた。芽がでても松崎さんの心配は続く。暑さで倒れたりタチガレたりしないように気配りしなければいけない。本葉が出るまでは油断できないのだ。成長期の水やりも欠かしてはいけない。本当に水が人参の生死を左右する。



見た目は面白いが出荷はできない

 「いい人参を作るには?」とたずねると「深く耕すことじゃねぇ。」と返事が返った。はじめは柔らかくなかった土をだんだん耕していき、今では人参のたけも長くなった。人参は途中で石などの硬いものがあると二股になったりもする。いかにまっすぐ長くするかというのは容易ではないのだ。
 今年は根のものの出来が悪くてねぇ、こんなのは初めて。いつもは立派な人参ができるんよ・・・と言われた。10月に乾燥してしまい、割れてしまった。こうなると出荷できない。
「抜いてみてはじめてわかるからねぇ。やっぱり割れたりしているとがっかりくるねぇ。」味に違いはないのだが、こだわって出荷しているためちょっとでも割れたものは箱づめしない。


おせち料理を彩る
 金時人参といえば、色鮮やかな赤色が縁起がよいとされ、おせち料理には欠かせない。土から掘りだしたときにはよくわからなかったが、水洗いするとおどろくほど赤くなる。水洗いといってもブラシのついた洗濯機のようなものに人参をつっこみあらう。

 担い手が減り、希少価値となった山口県産の金時人参。いつまでも食べれることを切に祈るばかりだ。


この色鮮やかさがおせち料理に彩りを添える


まずはザッと水洗い


野菜洗い機


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