●花も茎もまるごと食べられる
     山口県オリジナル野菜

 「はなっこりー」は、山口県農業試験場(現 山口県農林総合技術センター)で「お年寄りや女性でも簡単に作れて、軽くて収穫が楽な野菜」を作ろうと、品種改良されてできた山口県オリジナル野菜。中国野菜のサイシンを母親、ブロッコリーを父親として育成され、県内では平成8年より本格的な栽培が開始された。

 花の部分だけでなく茎や葉も全部食べられ、甘味があり、くせの無いのが特徴。和洋中どんな料理にも合い、サッとゆがいてサラダにしたり、和え物、炒め物などもおすすめだ。また、ホウレンソウ並のビタミンCを含み、食物繊維も多いのも特徴で人気の野菜だ。


山口県オリジナル野菜「はなっこりー」


収穫に最適な、つぼみの状態のはなっこりー


生産者の木村さん


茎をポキッと折って収穫する


収穫されたばかりのはなっこりー

●安全・安心の裏には、農家の苦労がある
 「はなっこりーは作るのは大変だけど、食べるととてもおいしい。」と木村宗明さん。
 木村さんはお勤め先を定年後、本格的に農業に取り組み始めた。はなっこりーとの出会いは、JA長門大津から新しい野菜として平成12年に提案があったのがきっかけで、栽培を始めて7年目。長門大津はなっこりー部会の部会長でもある。部会員数は40名。
 「今年は台風が来なかったから本当によかったよ。」と木村さん。
 はなっこりーは収穫するときにポキッと折れるように、台風なんかが来ると直ぐに傷ついてしまう。そうすると傷口から菌が入って軟腐病になり、株ごとだめになってしまうのだ。
 「人間が食べてもおいしいように、虫もすきじゃけぇ。ほら、チョウチョがたくさん飛びよるじゃろう。」
 畑の周りにひらりひらり。一見、和やかな光景だが、はなっこりーにとっては害虫。卵を産んで、はなっこりーを食べてしまう青虫がついてしまうのだ。
 「使える農薬が少ないからね。あんまり防除もできんのよ。」
 新野菜であるため、登録のある農薬が少ないので防除も少ない。安全・安心ともいえるが農家にとっては、大変だ。

 収穫は早朝に行う。水分を含んだはなっこりーは、ポキッと簡単に収穫できる。この後の調整に時間がかかるので、木村さんは冷蔵庫で保管するようにしている。
 「萎びないようにというのもあるけど、少し置いておくと直ぐ花が咲いてしまうからね。」
 調整の際により分けた、黄色の花びらが出てきている出荷のできないものを置いておくと、次の日にはパッと花が咲いて真黄色になっているそう。そのくらい成長の早いはなっこりーは調整にも気を使う。

 「規格の長さになるように待ってたら、先に花が咲き出すこともあるんよ。だから収穫もタイミングが大事。」
 収穫したものも、ところどころ黄色の花びらが出かけているものがある。
 「このまま出荷したら、店に並ぶときには、花が咲いてしまう。花は、古く見えて嫌われるから、ここで全部取り除くんじゃ。」
 そう言いながら、ひとつひとつ、つぼみを取っていく木村さん。咲きそうなつぼみを丁寧に取り除き、葉っぱもある程度取り除く。
 「一袋、200g超と決まってるから、葉っぱが多かったら、そのぶん目方が増えるじゃろ?損したように思われてもいけんしね。」

 きれいになったはなっこりーの足をそろえてカットし、袋に詰めれば出来上がり。口を閉じる時は、なるべく密閉状態になるように空気を抜くのがポイント。はなっこりーが呼吸して、袋が膨らんでしまうのを極力避けるためだという。 木村さんいわく、10袋仕上げるのに2人で約1時間かかるそう。以前は奥さんと2人で作業をしていたが、今は1人での作業だからもっと時間がかかる。

●県民の定番食材へ
 今年は9月27日から出荷がスタートした。ピークは11月。これからが本番で、寒さに当たったはなっこりーは、甘味が増し、ますますおいしくなる。
 「もちろんいろんな料理に合うけど、サッとゆがいてマヨネーズで食べるのが、男にもできて手軽でおいしい!」と木村さん。
 今や山口県民の食卓の定番となってきている、はなっこりー。これからの季節、ビタミン補給には欠かせない!手軽に味わえるシャキシャキした食感、甘味をじっくり感じて、はなっこりーの歌を口ずさんでいただきたい。
 出荷は4月上旬まで続く。


黄色い花びらが見えるものを取り除く。


長さをそろえてカット。


袋へ詰めて、口を閉める。

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